ニートの増加は何が問題なの?2
ニートが増加すると何が問題なのでしょうか?ここでは本人の問題点について見ていきます。
収入がないことによる生活の困難
収入がないことにより、生活に不自由が生じやすくなります。現時点での生活への不自由もそうですし、働かない状態が続けば将来設計もできないという問題が生じます。
また先ほど中高年ニートが問題視されているとお伝えしましたが、それは本人の扶養者であることが多い両親も高年齢化していることを意味します。そうすると、両親が亡くなったり要介護状態になり、収入源がなくなった場合、自身の生計も立ち行かなくなってしまうのです。
老後の生活も、働いていないため、年金も最低限の国民年金しかもらえません。
自身の生活でぎりぎりの状態のため、結婚や子供を産んで育てるといった選択肢も考えられなくなってしまいます。
社会的信用性の欠如
社会的信用性とは、ローン審査の際などに返済能力があるかを計る信用度のことですが、ニートは無収入であることが多いため、社会的信用性は一般的に非常に低いです。
正社員と比べると住宅ローンといった各種ローン審査が通りにくいですし、クレジットカードも無収入の場合、作れないところが多いです。よって持ち家やマンションの購入も難しくなってしまうでしょう。
コミュニケーション能力の低下
人と会う機会が圧倒的に少ないことがほとんどですので不特定多数の人と話す機会が圧倒的に減るため、コミュニケーション能力を磨く場も減ってしまいます。
そうすると、働く上で必要な人との意思疎通ができなくなってしまい、余計働くことが困難になってしまうのです。また人とのコミュニケーションが取れないということは孤独にも陥りやすくなり、精神的にも悪影響を及ぼしやすいのです。
ちなみに、関連性のある問題として「引きこもり」が挙げられますが、ニートと引きこもりには関連性があることが分かっており、引きこもりの67.8%が無職であると回答しています。
参考:内閣府 若者の意識に関する調査 (ひきこもりに関する実態調査) 報告書 (概要版)(P,10)
働かないことがが引きこもりを助長してしまうことも起きているのです。
働く上でのスキルの低下
専門的知識もそうですが、実経験が重要な業界であると働かないことには、仕事上必要なスキルを身に着けることができません。特に最近はインターネットの普及やグローバル化により、一度専門的知識を身につけたからといって安泰ではなく、常に新しい情報や流行をキャッチアップする必要があります。
働く上でのスキルや実務経験が少ない場合、働きたいと思っても採用の時点で見送りになってしまい、働かないまま時間だけが経つという悪循環に陥ってしまいます。
世間からの偏見や差別
日本社会は働いていないこと=悪という風に見なす風潮があるため、理由があって止むを得ず無職になったとしても、無職でいつづけることを批判されやすいのが現状です。世間だけでなく、親や親せきといった身近な人からも、無職でいつづけることに対して非難されることも少なくありません。
本人の実情を知らない人からはどうしても怠け者というイメージで見られてしまい、世間からの偏見や差別に悩まされることになります。
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